トール&ボクシーが多い中、潔いデザインでアンチテーゼ。
もう7年も前に製造中止になったクルマだけど、今もときどき街で見かけるし、見かけると目で追ってしまう。ボディのルックスだけで言えば、国産車の中ではいまだに好きなクルマの1台だ。軽なんだけどね。
基本は可愛い系で女性に人気のクルマだったんだけど、サイドから見たときの、リアを斜めにばっさり切り落としたデザインが潔くて、この真横から見たシルエットと斜め後ろからのビューがとても好きだった。
ほとんどの軽自動車が、室内空間の確保を重視して車高が高くボクシーなデザインになっていたから、そのアンチぶりが気に入ったということもある。
ちなみに、エッセより2〜3年前にデビューしたスズキのラパンもオリジナリティがあって好きだった。あれは背は低いけれどルーフをバン並みに長くして空間を稼ぎ出すという戦略だったと思う。でも、どこから見ても醜いとか安っぽいと感じるところがなかったからスゴい。
2年前にクルマを買い替えたとき、エッセも一応候補にあげた。
すでに生産中止だったから中古しかなかったのだが、それは別に気にならなかった。クルマの乗り方がそれまでとかなり変わっていたので、新しい環境での使い勝手が良ければそれで構わなかったし、お金もあまりかけたくなかったから。
僕にとってのネックは内装と…
ネックとなった点の1つはこの内装。
これはないでしょ。外装色が入ってもいいし、チープなのもぜんぜん構わないけど、これでは乗るたびに甘ったるいケーキを食べさせられるようなもの。
それに、方向音痴の僕にとってナビはいまや必須アイテムなんだけど、どこに付けるの?
でも決定的なネックは別のところにあって、それはマニュアル・シフトの設定がないこと。
実を言うと、2年前の買い換えの目玉はマニュアルに乗ることだったのだ。ま、これについては長くなりそうだから割愛。
そんなわけでご縁がなくて、僕は一生このクルマには乗らないまま死んでいくことになる。確実に。いや別にそれを悔やむほどのこととは思ってませんが。
ネタ元のヨーロッパ車
ラパンもそうだけどこのエッセも、ネタ元となった(であろう)ヨーロッパ車がある。でも、だからと言って非難する気はさらさらない。初めて見たときからわかっていたことだし、まるっきりのパクりというわけでもないからだ。軽自動車という限定された規格の中で、しかもリーズナブルな価格で実現してるんだから、それだけでもスゴいと思う。
ラパンのほうはこれですね。ルノー4。
4はフランス語で「カトル(Quatre)」。キャトルという呼び方も日本で浸透しているが、フランスでは主に、最もポピュラーな仕様「4L」から「カトレール(キャトレール)」と呼ばれる。
とWikipediaにあります。
当時の人たちにどのように見えていたのかはわからないけれど、いま見るとブサ可愛い感じ?
ラパンと名前が似ているけどまったく関係のないルパン三世の愛車はこちら。
フィアット500(チンクエチェント)」。
いまこれのリバイバル版の新型も出ていて、街でもけっこう見かける。元祖にかなり近いデザインなのでとても目立つ。可愛い。
で、エッセのネタ元はと言うと、ルノー5。
リアの傾きがまさにセクシーではないですか。
ここが限界というところまで傾けている感じ。思うに、後席の居住性とか積載容量のこととか考えてないよねえ、これ。今なら、もう少し乗る人や荷物のことも考えたほうが良かったんじゃない?と言いたくもなる。それだけ贅沢な台形フォルム!
いいわあ。
こうやって見比べると、やっぱり元祖のほうがいいなあ。
サイズもこれくらいがいい。ビミョーに間延びした感じがするところがまたいいし。
あら?
いまだに好きなエッセのことを記録しとこうと思って書きはじめたんだけど、ルノー5の話になってしまいました。
このクルマにも一生乗らないまま死んでいくことになるわけだけど。
※エッセの情報は『MOBY』「【ダイハツの真髄エッセ】実燃費やカスタム改造への意外な評価とは?」(2017年02月10日更新)を参考にさせて頂きました。写真は『MOBY』のほかあちこちの中古車情報のサイトから無断で拝借。TOPの写真には「Photo:難波賢治」というクレジットが入っています。勝手に使ってごめんなさい。