引用が楽ちんです、百田さん!
KING JIMの「マウス型スキャナ」という商品がありまして、僕もつい最近使い始めたばかりですが、これ、おすすめです。ふだんはごく普通のマウス、でも本を読んでいて引用したい箇所があったら、その箇所をマウスでなぞるだけでスキャンできるという、魔法みたいなスグレモノなんです。しかも、テキストとしてWORDに取り込むのも簡単!
そうです。引用作業が苦手そうな百田尚樹氏にぜひともおすすめしたい逸品なのです。
ところが、いきなり悲しいお知らせがあって、どうやらKING JIMはこの魔法のような商品の製造を終了したようです。amazonなどではまだ買えるみたいですから、百田先生、ぜひお早めにご購入ください。
本体価格11,000円とありますが、僕は税込4,980円で買えました。
手元に届いたら、使用するPCにドライバーとソフトウェアをインストールします。CD−ROMが同梱されていますが、これはWindows8/7にしか対応していません。さすが製造中止です。でも心配はご無用。KING JIMのオフィシャルサイトからWin10版、Mac版をダウンロードできます。
見た目は普通のマウスです
では、実際にスキャニングしてみましょう
まだ読んでないんですが、最近手に入れた大塚英志氏『感情化する社会』から何も考えずに開いたページ−−136ページのはじめの6行をスキャンしてみます。
右の画像の左側がこの本の表紙、右端のグレーで縁をつけたものが該当箇所をデジカメで撮った画像です。
SCANボタンを押してスキャンを開始
①マウスの左側面にあるSCANボタンを押す。
②該当箇所をマウスでなぞります。
PCのデスクトップに上のような画面が現れます。
読み取った部分が分かるから、これを見ながらマウスを動かすだけです。
しかも、こんな感じでわりと適当に動かしても大丈夫。
③すべて読み取ったことを確認したら、マウス左側のSCANボタンをもう一度押します。
SCANを終了して加工します
読み取りを終了すると、右のような画面に変わります。
「色相」「彩度」「輝度」「コントラスト」などの調整ができるので、必要に応じて加工しておきます。
今回は黄ばみが気になったので修正してみます。
テキストとして読み取るだけなら関係ないとは思いますが。「彩度」と「コントラスト」を調整しました。
終了したら、「OK」を押します。
ファイル形式を選ぶ
加工を終えてOKを押すと右のような画面が出るので、ここで保存形式を選びます。
スキャンデータの下にファイル形式のアイコンが出ています。見にくいかもしれませんが、左からJPEG、WORD、PDF、テキスト、PNG、Excelの順に並んでいます。
テキストを選んでも良いと思いますが、ここではWORD形式で保存してみます。
テキストを修正
WORDを選ぶと自動的にWORDが起ち上がり、右のようにスキャンしたデータが貼り付けられます。
この段階では、白紙のWORDにテキストボックスが貼り付けられた状態です。しかし、すでにテキストデータになっているので、ここで文字の修正ができます。誤読・変換ミスは付きものなので、原文と突き合わせをしましょう。
右の画像の黄色いマーカーをつけた部分が原文と異なっていました。ひらがなの『の』がヘンな記号になっていたり、『LINE』が読み取れずに『「−IKE』となっていたり。Lを『「−』と読んでしまったのはいたいけな感じがして「よしよし」と言ってやりたくなりますが、Nをしれっと『K』と読んでいるのは少し悪意を感じますね。許せない人もいるかもしれません。でも、手入力するよりはよっぽどマシだと僕は思うんですが。
このWORDファイルは「読み取り専用」です。でも、これは中継点として使うだけなので、とくに不便はないと思います。ここからテキストをコピーして、実際に引用文を挿し込みたい文書に貼り付けたら、このファイルはゴミ箱行きなので。
文書に貼り付け
いよいよ仕上げです。この引用文を挿入したい文書ファイルを開き、前の段階で修正を終えたテキスト全体をコピー&ペーストします。今回は新規作成のWORD文書に貼り付けます。
「Cnrl」+「V」で一発でペーストした結果が右の画像です。ページ設定が横書きになっているので、横書きで貼り付けられました。既存の文書の場合、念のため貼り付けるときに「形式を選択してペースト」→「テキスト」を選べば、書式が混在することもないと思います。
一箇所、ヘンなところで改行されていますが、その他はとくに問題ありませんでした。
以上です。
順を追って説明してきたので複雑に感じるかもしれませんが、実際はあっという間です。また、各ステップで自動的にウィンドウが開いてくれるので、考えたり迷ったりすることもありません。唯一注意が必要なのは校正だろうと思います。手入力するよりも意外性に富んだ誤字・脱字があるので、落ち着いて原文と突き合わせる必要があります。
最後に、マウスとしての使い勝手ですが、まあ中の下ぐらいかなと思います。形も無骨だしデカいし、無線じゃないし。でもストレスを感じるほどではありません。(少なくとも僕の場合は)
百田さん、いかがでしょう。
このマウス型スキャナを使って、Wikipediaではなく原典にあたり、そこから真面目に正確に引用してみませんか?